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たんぽぽのタネ第3回 – ハチドリの目で見渡す

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『沖縄タイムス』紙・教育紙面の「たんぽぽのタネ」に2022年10月~2023年3月までの間、当学園に関するコラムが毎月連載されます。沖縄タイムス殿のご厚意により、こちらに全6回の記事を転載します。

 沖縄シュタイナー学園の本年度の5、6年生は昨年まで週3回のプリペアスクールで学んできました。まだやっていない4年生の内容があるため、さかのぼって取り上げることになりました。シュタイナー教育では、4年生から学ぶ内容がより細分化され、変化します。それは、子どもたちの精神的な発達が進んできて、空間や時間の広がりをしっかり認識できるようになるからです。

 郷土学では、身近な教室から学園の周辺、地域へと空間を広げて捉えていきました。まず、5センチほどのハチドリになったつもりで天井から教室を見て、見取り図を描きます。「教室ってこんな形だったんだ」と、日ごろは気付かなかったことをたくさん発見しました。「学校の周りってどうなっているんだろう?」と、興味はどんどん広がります。そこで今度は、学園のある地域を歩きます。方位を確認し、自分たちの歩数で測りながら地図にします。できるだけ高いところから村全体を見渡すことで、どんな地形になっているのか、どこに住居が固まっているかなども確認します。

 「中城全体が見渡せたらいいのにね」と子どもたち。「じゃあ今日は皆で空を飛んでみましょう」と先生は中城村の資料館に連れて行きました。3畳ほどの床いっぱいの航空写真をみて子どもたちは目を輝かせます。その写真を見ながら地図を描いていると「あれ?ここに赤い線が引かれているよ」と旧道に気付いた子がいました。「じゃあ、今度この道を歩いてみよう」と王国時代の石畳をたどりながら首里城まで歩くことになりました。郷土学は今後、地理や歴史に発展していきます。

 このような身近な所、小さな物から少しずつ視野を広げ、世界と出会うことで、常に世界は自分とつながったものとして認識されていきます。

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